今日はお出掛けをしてきました。この2週間ばかり、家で集中しないといけないような状況で、買い物などいろいろなことが放置されていたので、そのへんの一環として髪を切りました。だいぶボサってたのでスッキリしました。行きつけの店は東京マラソンの影響で通りの道もごちゃついています。店に入りますと、早速雑誌棚からヘアカタログとしてのNumberを確保し、担当の美容師氏と相談開始です。

「もちろん今回も羽生氏にするのではあるが」
「この選手ですかね?」
「それはアメリカのネイサン・チェン選手だぞ」
「違いましたか」
「いつか出してくると思ってた」
「似合うと思いますよ」
「そういう問題じゃないから」
「似合うのに…」
「なりたい自分になりたい」
「お手伝いします」
「で、羽生氏の話だが」
「わかりました、では早速シャンプーを」
「待て、羽生氏と言っても何パターンもある」
「はぁ」
「今回は平昌五輪記念であるからして」
「バラ1の羽生氏にするか」
「SEIMEIの羽生氏にするか」
「ノットステラータの羽生氏にするか」
「それについて検討をしたい」
「なるほど、つまりこの写真にするか」
「それはレジェンド葛西だな」
「あるいは、この写真にするか」
「それは伊藤有希という女子選手だ」
「もしくは、この写真にするかという悩みですね?」
「それは巻末連載の清原だな」
「決めた、メダルセレモニーのにする」
「今スマホで見せるからな」
「このオレンジのモコモコのやつにしよう」
「これでよろしく」
「基本、全部一緒じゃないんですか?」
「それを判断するのはプロの仕事だろう…」
「ていうか全部一緒っす」
「全部一緒っす」
「セットが違うだけっす」
「ていうか、お客さん髪型だけ寄せても」
「芸能人にはならないですよ」
「芸能人じゃなくてアスリートね」
「アスリートにはならないですよ」
「でもなりたい…」
「なりたい…」
「無理…」

そこから美容師氏は懸命にハサミを入れ、いつもとほとんど同じ髪型を仕上げてきました。客観的冷静に見ると羽生氏ではありません。最初の頃は、おっいけんじゃん!みたいに思っていたのですが、それって女装初心者みたいなもので、一回目は仕上がったことだけで満足しちゃってたりするんでしょうね。落ち着いてきたら似ても似つかない。目を細めたりしてみますが、目を細めた僕がいるだけです。仕上がってない。

ベストは尽くしたという彼の笑顔。「ベスト尽くしても結果が出なきゃ意味ねぇんだよ!」という言葉も出掛かりますが、ベストを尽くした選手の会心の笑顔を否定するのは、僕の主義ではありません。確かに僕も、会社で頑張った仕事を否定されたらつらいもんなと思いとどまり、とりあえずセットだけしてもらいました。セットしてもらったら、何となく羽生氏っぽくなりました。風呂入ったら戻りました。

何かこの感じだと、もしかして「小平奈緒さんで」とか全然別のモデルを指定しても一緒なんじゃないかって気がしてきます。実際一緒なのかもしれない。単に「あのぐらいの長さでパーマをあてない」というだけの髪型として処理されている気がします。そろそろ真剣に美容師との関係を見直すべき時期にきているのだろうか。成長のためには外国人美容師などから世界の髪型を学ぶ必要もあるかもしれませんね。

うむ、外国人美容師って何かいいですね。外国人美容師に切ってもらっているというだけで自分のステージも上がりそうな気がします。そのときも「YUZURU HANYU」で注文が伝わりそうなのはグッドですね。逆の立場で「オーレ・アイナル・ビョルンダーレンの髪型で」とか言われたら微妙にわかんない感じもしますけど、何かの選手なんだなってことさえわかれば、スマホでいけるでしょうしね。その意味ではエグザイルの誰それっていう国内限定の頼みかたよりも、すごく万能感高みです。

注文は完璧なんですよね。ダメなのは顔か。生き様か。両方か。

それとももっといっぱいあるのか。

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