用事があって東京駅まで行きました。最近、駅前の広場が御幸通りとつながる形で整備されたというので、そちらを流し見てきました。東京駅の駅前はオシャレな高層ビルが立ち並び、とてもよく整理されているので、美しい街並みになっています。新宿のような細かくてガチャガチャしたところがありません。

駅前に降り立ったときのパーッと光が華やぐ感じ。駅舎はオレンジのライトで美しくライトアップされ、銀色の巨大なビルがそれを見下ろす。街路樹には光の粒が実り、天国のような見た目です。カップルの親近感はグッと増し、写真を撮らずにはいられないような光景です。

僕もカメラを取り出して撮影に臨みます。臨みますが、電源オンすると寸胴がグギャーといって途中で止まります。画面には「電源を入れ直してください」の表示。実は少し前からこの症状が出ているのですが、本格的に限界になってきました。以前は10回に1回程度、こうした不調が出ていたのですが、今は20回に19回はこの不調が出ます。

たぶん、海岸とか山奥とかいろんなところで撮影をしてきたので、ヘタってきたのでしょう。寸胴周辺の物理的な引っ掛かりのような気もしますし、基盤まで入りこんだゴミのせいのような気もします。3年半でぶっ壊れるとはさすが「ソニータイマー」だなと唸ります。修理代を調べると2万円くらいかかりそうで、新しいのを買ったほうがいいのだろうなとも思います。しかし、まだ頑張れば使えるので、頑張っています。

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運よく起動したときを狙って撮影。


一度起動さえしてしまえば、その後の撮影は可能なので、そのまま電源を入れたままで行動します。ただ、あまり放置していると「節電のために勝手にオフしますね!」となるので、ときどきボタンを操作してオフされないように気遣う必要もあったりして、すごく面倒くさい。オフされないように撮りながら移動をします。戦場カメラマンみたいな移動です。

駅舎を撮り、イルミネーションを撮り、御幸通りに渡って撮り。お店とかがないのも含めてとてもいい感じ。この通りは「御幸」だけあって皇居につながっている道らしいのですが、皇居に向かう方角の空はスコンと抜けていて、何だか空の上にも道があるようです。さすが陛下、東京駅まで一本道のお家にお住まいとは。電車乗る機会少なそうですけど!

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陛下がサラリーマンならここを歩いて帰るのやろか…。

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遠くから駅舎を振り返る。

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ドーム型のほうも美しくライトアップ。



キレイに撮れたかなと家で確認しながら、日記を書こう。そう思って帰宅した僕は今、こうやって新しいブログに写真をアップしたりしているのですが、そこでまた気づいたことがあります。

「何か、左に傾いてない……?」

撮る写真、撮る写真、どれもこれも微妙に左側が下がっている気がする。ていうか、下がってる。僕の感覚としては、いつもと同じつもりなのですが、大半の写真で左が下がっています。非常に残念ですが、寸胴がもうそんな感じになってしまっている模様。何かが引っ掛かるような音が必ずするのは知っていましたが、やはり何かが引っ掛かっているんですね。

電源が入らないので、撮りたいものの前でオン・オフでうまく起動するタイミングを待つという工夫。左に傾くので、物理的な水平は信頼せずモニターの中に写る物体の見た目を基準に撮影するという工夫。そこに加えて、「シャッター押す」「撮影される」の間に、微妙に存在する気がするラグを潰すためにシャッターを押したあとに一層ガッチリとカメラを保持して動かさないという工夫。気づけばこのカメラにはいくつもの工夫が必要になっていました。

「ある意味で一眼タイプを手動でやるより気を遣う…」

金とガマンのせめぎ合いになったとき、ガマンをしてしまう自分にも、そろそろ限界がきている。そんなことを感じる撮影でした。もういい加減、修理か購入か、決断をしないといけません。カメラは「早くしろ」と言っている。「お前が困らないよう頑張ってるから、今のうちに何とかしろ」と猶予をくれている。しかし、僕はそれを工夫で乗り切ってしまっている。限界は感じているが、まだ工夫をつづけている。ものすごくみみっちいヤツです。結局、どうにもこうにも動かなくなるまで、ずっとこうしているのでしょう。人生もそうやって、何かを逃しているのかもしれません。もっと早くカメラをどうにかしていれば、もっとキレイな景色を撮れたかもしれないのに、とか。