最近、できる範囲でリモートワークをしています。できない作業もあるのでポツリポツリという感じですが、在宅でメールの返信などをする作業です。改めて在宅作業してみると、自分の仕事などあってもなくても一緒なんだなと思い、一体普段は何をして時間を過ごしているのかと不思議になるほどです。

やがてはこういう働き方が当たり前になるのかもしれませんが、やっぱりちょっと旧人類には無理かなぁなんて思います。慣れの問題もあるのでしょうが、結局は人と人との意思疎通が仕事の重要事項であるというのに、その部分がガクッと弱まってしまいます。伝わる量も伝わってくる量も少なくて、やりづらいなと。テレビ電話会議とか、何だかやりづらいなと。

そりゃ、リモートワークをみんな上手にできるなら、「本」と「手紙」でとっくに解決してるはずですものね。それができないから対面での作業が生まれるのでしょう。エライ人ほど重要な意思疎通が必要になって、より対面での仕事が増えるのかななんて思います。大変そうです。

そして、そういうやりづらさもさることながら、自分自身のスタイルも崩れていきます。前前からわかっていたことではありますが、僕は家ではまったく何にもやる気が出ません。金のために「仕方なく」やるという怠慢精神なので、家にいたら「仕方なく」の順番がまわってくる前に雑事がどんどん出てきます。

会社のデスクにいれば、周囲の監視の目と、好きなYouTubeとかを見るわけにはいかないパソコンによって、「仕方なく」この作業をするか…という気持ちもわいてきます。そして、絶対にイヤなこの作業よりはマシという理由で、2番目にイヤな作業に手をつけたりもします。そうしているうちにやる気が出たりするものなのに、それが家には一切ない。このスタイルで働くには自分から前のめりでやれることでないと難しそうです。実際問題、ツイートとかはしてますしね(休憩時間の認識)。

こうして過ごしていると、いかに自分が「面倒」をすべての判断基準として過ごしているかわかります。あれほど行きたくない会社が、何ならロックダウンで今すぐ全社封鎖されればいいのにと思っている会社が、リモートワークのときだけ恋しいのです。圧倒的に速い通信回線と、充電し放題の豊富なコンセント。面倒なセキュリティなどナシに一発でつながる社内環境。トータルで言えば、出社したほうが「面倒が少ないんじゃない…?」という気持ちで、出社したくなってしまう。これが社畜の悲しい習性なのでしょうか…。

少しでも抵抗しようと、ご機嫌なミュージックとか鳴らしてみようかと思うのですが、YouTubeはすぐに志村けんに戻ってしまいます。じゃあテレビでもつけておこうと思うと、コロナ関連情報を漁るのに夢中になってしまったり。食事の時間もいい加減になるし(いつでも食べられるから逆にだらける)、何やかんやで洗い物とかしてしまったりで、まったくもってなっていません。

まぁ会社にいるときも30分おきに15分のペースでトイレにこもっているので、トータルで言えば同じくらいしか作業してないのかもしれませんが、会社でトイレにこもるのは業務中の賢いサボりって感じがして自分を許せるのですが、家で手が動かないのは業務中であるかのように偽装している気がしてい居心地が悪い。ズルは許せるけど、ウソは許せない、そんな微妙な正義感。いっそのこと今からでも休みにして、休日にサービスでメール返してるほうがスッキリするくらいに…。

やっぱり、いろんなものがあってようやく仕事って始まるんだなと思います。着替えること、電車に乗ること、座ること。パソコンを立ち上げて、コーヒーを飲み。会話に加わる。そのなかで「仕方ない、やるか」という気持ちが高まってくるのだなと。アスリートだって、ユニフォーム着て、スタジアムに行き、観衆の前に出て初めて本気が出るって気がするでしょう。アレの小規模なヤツは僕にもあるのです。それなりに。

このリモートワークが加速したら、僕は無能のうえに不動が重なってきて、完全にダメになりそうです。追い詰められて、ないやる気を出すためにスタバとか行ってしまいそう。とにかく「ここでやるんだ」という場をしっかりと区分けしないと、まったく何にもできないんだと痛感しています。なるほど、金持ちが作業場として別宅を構えるのもわかります。仕事場という場の空気でオンになる何かがあるのですね…。

僕が自分を自力でオンにできるようになるのと、会社が勝手にオフになるのとどっちが先か。

今日も僕は東京都の感染者数のグラフをじっと見ながら、「どこでそれが起きるのか」を観察しています。100人ラインで起きるのか、それではまだ不足なのかと、いらだちながら。

起きるなら急げ。

どうせやるなら早いほうが効果もあるだろうし、追い詰められてから踏み切るのは普通に手遅れって感じがする。そしてどうせなら、弊社がより充実したリモートワーク環境なぞを構築しやがり、何ならオフィスもいらないわと「職場」を放り出し始める前にきてほしい。仕組みが出来上がっちゃったら、「あの人、いなきゃいなくてもよくない…?」ってお互いに気づいちゃうし、「オンラインで在席中のアイコンは出てるけど、1ヶ月くらい何のアクションもないね…」ってなりそうだし。

本日、私、在席中のアイコンをじっと灯したまま、特にアクションの必要がないメールをじっと眺めておりました。本日の業務終了、報告は以上です。