(わかる人だけ読んでください、わからない人には全部暗号みたいなもんです)

浅香唯さんと大西結花さんと中村由真さんのコンサートに行ってきました。「誰?」かもしれませんが、まぁとにかく行ってきたのです。2015年にも「これが最初で最後かもしれない」と思って行ったのですが、4年ぶりにまた3人で歌うというので「今度こそこれで最後かもしれない」と思って行ってきました。今回は3人で告知なのかバイトなのかテレビ出演なども多数こなしており、大変精力的です。

会場は竹芝にあるニューピアホール。700席ほどあったでしょうか。当日券もあるということで心配していましたが、フタを開ければ満員大入りです。大抵の公演では売り切れでもそれなりに空席が出るものですが、「これが最後」と思ってきている必死な客の集いですから「買ったのに来ない」というパターンは極端に少ない模様。4年前よりキャパを増やしてきていますので、それが当日券アリにつながったでしょうか。まぁ今回のがピッタリくらいだったのでしょう。

この日はお昼にトークショー+1曲披露+ハイタッチで5000円というトークイベントもやっており、なかなかの商魂を見せてくる三姉妹ですが、さすがに僕もそちらは欠席しまして夜のライブからの参戦。会場にはすでに100メートルほどの待機列ができています。「4年前より年齢層が高く見える…」と思いましたが、すぐに「そうか、4年前と同じ客がきてるのか…」となんだか重苦しい気持ちになる一幕も。人のこと言える立場かというツッコミはありますが、コミケとはまた別の感じで熱気が重い。キレイな街と重苦しい集まりのギャップがすさまじいです。

「4年前の会場で売った激レアCD」もこの日に合わせて販売されており、その他Tシャツとかタオルとかを目当てにお客はさらなる列を作っています。僕は4年前にそのCDは買ったのでスルーします。タオルには名前と梵字が入っておりちょっとグラッときますが、黒と赤というわりとキツめの色で普段使いは無理そうなのでコチラもそっと見送りました。(何で梵字が入ってるのかわからない人に説明すると長くなるので、例の梵字が入ってると言ってわかる人だけ「へー」と思ってください)。

P8119385
会場はコチラ。

P8119382
CDを買うと何かもらえるらしいが、ココに来るヤツはそのCD全員持ってるのでは…。

P8119380
ワンドリンク制の入場でビールくれたのは良心的な気がする。


M1:Anniversary
まずは4年前に作った激レア曲から。会場は年齢層高めにつき「立つのか、立たないのか」の判断が難しく、最前列が立つとウェーブのように立ち上がっていく仕組みに。MCでの挨拶も「こんばんは!」と「こんにちは!」が入り乱れるなど、演者含めてグッダグダです。

M2:ミモザの奇蹟
M3:渚通りのディスコティック
M4:MIDNIGHT TV
M5:揺れないヒマワリ

この集まりにおいて結花さんが持っているエースのカードは「シャドウ・ハンター」だと思うのですが、そのエースを手札に温存したまま、「スケバン刑事以降の私たちも見てもらおうと思って」というラインナップで攻めてきます。「ミモザの奇蹟」は一応劇場版の挿入歌ではあるし、前回はやらなかった曲なのでとても嬉しいけれど、じょじょに離れていく選曲。次はくるだろう、次はくるだろうと思っていましたが、エースを手札に残したままソロパートを走り切りました。僕はスケバン刑事を「特撮」として見ていたクチなので、「アイドル」としての集まりだと若干知識量的についていけない部分も。アルバム曲はさすがにファンじゃなきゃ知らぬよ…。

M6:さよならの冒険者たち
M7:HEAVEN
M8:Dang Dang 気になる
M9:君の夢に飛びたい

まさに「スケバン後」を追いかけていくようなラインナップ。序盤の2曲は調べたからわかるだけで、たぶん聴いたのは初めて。周囲はみんなノリノリにも見えるし、戸惑っているようにも見えるし、よくわからないけれど「何事も出会い」が僕のモットー。本日の主旨が飲み込めてきたので、切り替えてノッていきます。その辺を察してなのか「みんなで一緒に歌いましょう!」と呼び掛けて始まった「Dang~」(※美味しんぼの歌ね)では心なしか会場もヒートアップ。まさかこの歌でコール&レスポンスをやることになるとは思っていませんでしたが、やったらできるものです。「Dang!Dang!」しましたとも。ただ本人は完全に歌詞を飛ばしていてサビのシメを3回とも「ねえキミから好きだと言いなさい」で歌ったときには、「1番と3番は『好きなの?って訊けたらいいのにね』だろ…」「そのフレーズがないと情緒が台無し…」「単に圧が強い人になってる…」と苦笑い。そして、最後は劇場版の挿入歌「君の夢に飛びたい」でソロコーナーはシメ。常に会場から声が飛び交いステージとの会話が始まるコンサートですが、このパートのMCで「またやってよ!」という客の声を「検討させていただきまーす」でバッサリと断ち切ったあたりのキレはすごくよかったと思いました。(※またできるかどうかは、ロス在住の主婦である由真さんの家庭の都合次第なので簡単に約束はできないのです)

M10:C-Girl
M11:虹のDreamer
M12:コンプレックスBANZAI!!
M13:恋のロックンロール・サーカス

「C-Girlを4年ぶりに生で聴けた」というだけでこの日は大満足の唯さんソロパート。8センチCDで持ってたなぁと懐かしく思い出します。唯さんに関してはスケバン後もフォローしていたので全曲歌詞まで頭に入っています。「きっとほかのソロパートもその筋の人にはそうなのだろう」と反省します。スケバンを混ぜつつ、スケバン前・スケバン中・スケバン後とバランスよい構成。往時は「恋のロックンロール・サーカス」での路線変更がミステイクだと思っていましたが、今聞くと悪くないです。ちゃんと「C・I・R・C・U・S」(サーカスね)の掛け声をできる客はなかなか練度が高いなと思いました。合間のMCでは「昨日は元気だったけど今日は身体が重い」という加齢トークから始まり、高音を頑張り過ぎたことで後半にバテがくるというアラフィフ感を出してはきますが、相変わらずかわいくてよかったです。

幕間:スケバン的BGM
演者が衣装替えの間にバンドさんだけで、「スケバン」っぽいBGMをやって間を持たせてくれます。完全に同じではなかったと思いますが、確かに「それっぽい」。尺八とかあればもっとよかったのでしょうが、尺八はさすがにコスパが悪いのでなくてOKです。この粋な演出には世を忍ぶ「影」あるいは「草」である客も大喜びです。

M14:セシル~チューリップの蕾~One Summer Lonely
「セシル」は知ってる。もちろん。しかし、ほかの曲は知らぬ。だが、今日知った。いやー、インターネット時代でよかったというか、歌詞検索できるおかげでこうして何を歌ったのか書き留めることができました。だんだんヘバってきたのか、手持ち扇風機でひたすら涼む演者たち。合間のMCでは「ちょっと前に福岡のイベントに出演したとき、『Remember』で唯さんがメンバーに視線を送る振り付けをちゃんとやらないことを注意したら、本番ではドヤ顔でガン見してきたので笑いのツボに入って結花さんが歌えなくなった」というエピソードを披露して、結花さんの笑い上戸と唯さんの顔を責め立てていたのがキレキレで面白かったです。

M15:Remember
3人がそれぞれパートを交換して歌うというRemember。唯パートを結花さん、結花パートを由真さん、由真パートを唯さんがやるというシャッフルです。あえて練習をしない即興性がウリのネタのようで、本当に3人ともグダグダです。結花さんは歌い出しが自分からであることをまったくわかっておらず、由真さんは他人のパートの歌詞が全然頭に入っていません。さらに唯さんは、センター以外の立ち位置がまったくわかっていないようで、「一旦離れてから近づいていく」という振り付けでも最初からセンター真横に立っているため、ほかのメンバーには「近っ!」という動揺が走っていました。なお、唯さんが結花さんに教えたダンスの振り付けは、YouTubeなどで過去の映像を確認しましたところ「自分のダンスと、ほかのふたりのダンスを勝手にミックス」した嘘情報でした。もとが30年前だから全員適当だし、唯さんの「自由」なところがすごくよく出ていてよかったですw

M16:シビアー~チャンスは一度だけ -TAKE A CHANCE-~Believe Again
スケバン曲をメドレーでつづけて本編のシメ。前回聴けなかったシビアーがここで入ってきました。Believe Againは劇場版のテーマでもあり、再会を誓った別れの曲でもあるため感極まるものがあったのか、由真さんは歌の途中で泣き始めてしまいます。唯さんもつられて泣き始めてしまい、結花さんもウルッときています。「あぁ、これはYouTubeで見た解散ライブと同じだ」と時間を追いかけて追いついたような気持ちになります。あのビデオでも泣いて歌えない唯さんと由真さんを支えるように、結花さんがしっかりと歌い切っていたなぁ…と。これが三人の変わらぬ関係性であり、断交してもおかしくないほどの時間と距離があっても今なおこうして三人が集まり泣ける理由なんだろうなと。何でもそうですが僕はもう「仲良しコンテンツ」しか見られなくなってきました。仕事上のつながりだけでなく、本当に仲のいい人たちで作るものが好きで、そういうもの以外はちょっとつらいのです。たった1年の三姉妹ですが、それが30年経っても三姉妹であるというのは、心が温かくなります。やっぱりきてよかったなぁとしみじみ思いました。

EN1:Remember
アンコールで登場した三姉妹。「結花は年上」「あなたたちだって今年50でしょ!」「私(由真)は2月生まれだから来年です」「だから春に帰ってきなさいよ!春に帰ってくりゃ1歳差なのよ!」と往年のケンカコントも披露して、やるだけやり切りました。シメのRememberは先ほどグダグダだったので今度はしっかりとオリジナルパートで歌い直し。トークのときはしっかりしゃべれていたのに、歌になったらまた感極まってしまい、唯さん、由真さんが連鎖的に泣き崩れていく場面もありましたが、すごくよかったです。頑張って歌い切ったあとは、お別れのご挨拶をしてシメ。演者側としてはココで締まってもOKということだったとは思います。あとはお客様の反応次第という…

EN2:Anniversary
ダブルアンコールで再び三姉妹登場。お互いに名残惜しく、別れられずのダブルアンコールとなりました。歌う曲はもはやないのですが、オープニングのAnniversaryをもう一度歌って、お別れの代わりとします。由真さんは最後のほうはずっと泣いていて「元気だったらまた会えるかもしれないから…」と、さっきは「検討させていただきまーす」だった次回について前向きなコメントを残してくれました。唯さんも「中村さんが(アメリカに)また帰っちゃう…帰っちゃう…帰っちゃうんだもん…」と涙が止まらずでした。最後は泣きながら笑顔でバイバイ。ありがとう、お疲れ様の気持ちでいっぱいです。


いやー、4年に一度の生存確認会みたいな雰囲気も出てきましたが、とても楽しいお出掛けとなりました。帰ってきてからは「このライブの感想を書く人間がある程度いないといかんだろう」という気持ちから、コレを書きました。まぁ自分用メモみたいなものです。自分で書いておけば、また何年後かに「前回はどうだったんだっけ?」と思っても確実に振り返ることができますから。このあとは手持ちのスケバン刑事DVDコンプリートボックスを久々に出して、鍾乳洞でコケを食べる回を見ながら会場でもらったビールを飲もうと思います。参加されたみなさん、お疲れ様でした。またお会いしましょう。